初めて『滝沢歌舞伎ZERO』を観劇した日の、彼の印象はほとんど覚えていない。
第2部を観て「この子お芝居上手いな」と思った程度だった。
本当にそれだけ。他のことを思い出そうとしても全く思い出せない。
2度目の観劇を決めたことを友人に伝えると『RIDE ON TIME』を観ることを勧められた。
『滝沢歌舞伎ZERO』京都南座公演の稽古場密着映像やインタビューなどがメインの番組で、まだファンになって日が浅い私にとってメンバーのパーソナルな面を知るのにとてもいい教材になった。
本番直前、稽古中に怪我をしたメンバーに対して彼が「まあ逆に傷口見た方が俺ら燃えるタイプっすもんね?」と言い放つシーンがある。
あの瞬間私は雷に打たれたようだった。
当時、彼のことはほとんど知らなかった。
知っていたのは他グループとの兼任という形で加入したことと友人から聞きかじった程度の知識だけ。
その時点でジャニーズJr.チャンネル内で更新されていた新メンバー加入後の動画は数本のみで。
まだ場の雰囲気を掴みきれていない様子の彼がどんな人間なのかというのは全くもって未知数だった。
だからこそ、その発言が余計に刺さった。
迎えた2度目の観劇。右隣で観劇していた女の子は雰囲気から察するに彼のファンだったようで、一挙手一投足へオペラグラスを向けているようだった。
演目が進んでいくうちに、ふと気づいた。
私の視線もその女の子と同じ方へ向かっていることに。無意識に彼を目で追っていることに。
正直、めちゃくちゃ戸惑った。
他のメンバーのファンとして足を運んだつもりだった。ネイルもその子のメンバーカラーにして、物販でもその子の写真を買った。
それなのに、視界に入るのは彼の姿ばかり。
自覚してからはもう、彼のことしか見ていなかった。
2度目の観劇のはずなのに、彼の挙動は初めて見るものばかりで。
メカ太鼓を叩いていたこともこの時初めて知ったような気がする。
本当にそんなレベルだった。
見えている世界が、1度目の観劇とまるで違っていた。
それから数日間アイドル誌を読み漁ったり、彼の出ている数本のYouTubeやISLANDTVを何度も見返したり、加入前の彼のことももっとよく知りたくてネットの海を泳いだりと躍起になっていた。
そして迎えた『滝沢歌舞伎ZERO』大千秋楽。
SNS上に流れてくるレポを読みながら、もう逃げられないんだろうな、と悟った。
そして、意を決してJr.情報局の名義を彼の名前に変更したのが昨年の今日。
その後、彼のファンになって初めての現場が「Summer Paradise2019」だった。
会場は私が以前ジャニオタをしていた頃によく通ったTDCホール。
またこういった形であの場所に戻ってくることになるなんて想像もしていなかったし、あの頃の記憶を新しい感情で塗り替えてしまうことが少し怖かった。
結果的にそれは杞憂に終わったし、慈愛ばかりが募る一方だったのだが。
8.8ジャニーズJr.祭りには諸事情で参加できなかった。
SNSでデビューを知った時の嬉しさと、その場に立ち会うことができなかったという血の気の引くような感覚は一生忘れないと思うし、あの日の選択は生涯後悔し続けると思う。
そして『少年たち To be!』。
YouTubeでも「俺出てない」とネタにしていた彼が、初めて『少年たち』という歴史ある作品に携わっている姿を見ることができて感無量だった。
なかでも日替わりで手紙を読むコーナーではいろんなメンバーが赤裸々に語ってくれて、それは彼も例外ではなかった。
初めて語ってくれたことも多く、より芯の強い部分を知ることができたような気がした。
今から8年程前に放送された特番『ジャニーズJr.の真実』。
私もリアルタイムで見た記憶があるが、何よりも母親が録画した番組を何度も再生していたイメージが強く、いまだに「この子あの番組に出てた子でしょ?」と言ってくることがある。
さすがにそんな昔の番組の内容まで覚えていない私はダビングしてあるはずのDVDを探し出して見直した。
そこには入所して間もない彼の姿も映っていた。
人気Jr.が映ると名前のテロップが表示されていたが、彼は楽屋でご飯を食べている大勢の、テロップも表示されないJr.のうちのひとりだった。
でも、確かにそのシーンを見たことははっきりと覚えていて。
私が知らなかっただけで8年前には出会っていたという事実に驚いた。
知らないことほど罪なことはないんだとこれほど思い知らされたことはなかった。
彼はよく過去の自分のことを「全然目立たなかった」と表現している。
DVDや過去映像で見るとそんなこともないような気がするのだけれど、その場所に立って日の目を見るまでに時間がかかったということなのだろう。
同期がどんどんデビューしてスターダムを駆け上がっていく中そうでなかった彼はどんなに辛かったのか、まだ知らない過去の姿を想像しては考えてしまう。
デビューして彼のファンが増えたことは感じていたけれど、先日発売された専属モデルを務めるファッション誌での初単独表紙号の売れ行きには本当に驚いた。
「今後人気が出るんだろうな」とぼんやり思ってはいたものの、まさかこんな短期間で爆発的に人気が出るとは夢にも思っていなかった。
まだ世間に見つかっていなかっただけで、それほどのポテンシャルを秘めた男だということを改めて思い知らされた。
重版出来おめでとう。
このモデル業については個人的に強い思い入れがあるので、詳しくは割愛するがめちゃくちゃに運命を感じている。
今後もひとつの武器として極めていってもらえると嬉しい。
顔がいいのは全人類が周知の事実だと思うし、私自身もハチャメチャに顔がいいと思っている。
思い返せば昨年のIsLAND Festivalでも物販開始1分で個人うちわが完売したし、初単独表紙が公開されればものの10秒でサーバーがダウンした。
この地球(ホシ)の期待を軽々と超えていく男である。
しかし彼の魅力はそれだけではない。
私は彼の考え方や価値観が好きだ。
自分の意志をしっかり持っていて自分なりの戦い方を絶対に曲げない。
ともすればビッグマウスと思われてしまいそうな言動もあるが、彼の人柄ゆえに許せてしまうしそれどころか簡単に叶えてしまいそうな気さえする(それが惚れた弱みなのかもしれない)。
彼の強みは世間のパブリックイメージ通りでありながら、えげつないほどのギャップを隠し持ってるところなのだと思う。
バラエティー番組などではおバカキャラ扱いされがちではあるが生きていくための知恵が本能的に備わっているし、ときどき世界の真理を見透かしているような発言をするのでハッとさせられる。
その度に「いい男を好きになったな」としみじみ思わされてしまう。
メンバー紹介ラップの彼の紹介パートに『研いでくぞ剣』という一節がある。
開花の時を虎視眈々と狙いながら地道に研ぎ続けてきた剣が今、満を持して振るわれているのだと思うと感慨深いものがある。
彼はきっと現状に満足していないし、今後もその剣を研ぎ続けるのだろう。
ここまで駆け上がってこられたのは間違いなく彼の努力の賜物だ。
目黒蓮くん、「アイドル」という人生を選んでくれてありがとう。辞めないでいてくれてありがとう。
だからこそ私はあなたに出会うことができました。
これから先もあなたと一緒に戦える存在でありたいし、あなたを守れる存在でいられたら、これほど嬉しいことはありません。
ノートに記した夢を叶えていく姿を見守らせてください。
2020.5.20